きまぐれ取材メモ

【きまぐれ取材メモ】 HT81Sスイフトスポーツの魅力探求 ─ 特殊な生い立ち、軽の骨格が生んだ“カート感覚”

きまぐれ取材メモ
シェアする

今更気づいたHT81Sの魅力

文を書く合間、言葉に詰まったとき、僕はついYouTubeを開いてしまう。
そんな時、見るのは決まってサーキットのオンボード動画だ。
編集はほぼゼロ、ただコクピットからの景色とエンジン音だけ。
BGMも解説もなく、1ラップ分の短い走行動画だから思考を邪魔せず、ちょっと頭をリセットするにはちょうどいい。

一本の動画で気づいてしまったHT81Sの気持ちよさ

そんな気軽な気分転換のはずが -ある日、一本の動画に心を持っていかれた。
映っていたのは、HT81Sスイフトスポーツ。
僕の愛車、ZC31Sスイフトスポーツのひとつ前のモデルだ。

ただの映像なのに、伝わってくる「車で走ってる感」。
臨場感がやばくて擬似的にHT81Sに”乗ってしまった”。
エンジン音、コーナーでの車の挙動。
声も字幕もないから理屈ではなく、映像で感じてしまったのだ。
他の車のオンボードでは感じなかった感覚だった。
「これ、絶対に運転したら楽しいやつだろ」。
動画の中のHT81Sがドンガラだったこともあるのだろうが、車内全体に響き渡るエンジン音に特に魅了された。
その心地よい振動が耳に残ったが、手のひらや毛穴から全身に伝わってきたような感じがした。

もちろん、僕はZC31Sが大好きだ。選んで後悔したことはない。
でも、HT81Sの映像を見た後だと、心のどこかでZC31Sがちょっと“優等生すぎる”ようにも感じてしまう。
HT81Sの映像で感じたような全身に余韻が残るエンジン音は感じたことがなかった、実際に乗っているのはZC31Sなのに、だ。

ZC31S を選んだ過去の選択は間違いだった!?

思い返せば、ZC31Sを買うときに求めたのは——
コンパクトで、壊れにくいスポーツカー。
日常でも扱いやすく、維持費もかからない。修理よりも走ること、チューニングにお金を回したかった。
だから同世代のフィットRS、ヴィッツRS、コルトラリーアートVer.Rなどを並べて検討し、最後はZC31Sに決めた。

その後、仕事でZC32SやZC33Sにも乗ったが、新しい世代の車は電子制御やアシストが多く、僕が求める“生の楽しさ”とは違った。
そう考えると、ZC31Sの選択は正解だった…はずなのに。

HT81Sは当時、候補にすら上らなかった。
理由は単純 -存在をスポーツカーだと認識していなかったから。
見たことはあったはずだが、「あのデザインはないわ」と完全スルーしていた。

でも、動画を見てしまった今は違う。
「ださスパルタン」。
あの取ってつけたようなデザイン、スポーツカーらしくないフロントマスクも逆にカッコいいと思える。
ZC31Sより古い車なので当然電子制御は少なく、機械式スロットルでダイレクト感もあるはず。
玉数が少ない分、希少性はあるかも知れないが、とはいえ当時も価格はZC31Sと同等かそれ以下だったはずだ。

…そう考えると、当時の自分を殴りたくなる。
ちゃんと比較して負けたなら納得できるが、存在を知らずに見逃すなんて -腸が煮えくり返る。
「もっとちゃんと調べとけよ!」そう言いたくなってしまうのだ。

もちろん今更買い換えるのは現実的ではない。
でも、あの時できなかった比較を今こそきちんとやってみたい。

そう思ったとき、ふとInstagramで繋がっているオートガレージリバティーズさんの投稿を思い出した。
ストーリーズにはHT81Sの在庫や販売の様子が頻繁に上がっている。
「これだけHT81Sを売るなんて、相当好きで魅力を知っているに違いない」そう思った。
さらに店長の深井さんはHT81S→ZC31S→ZC32S→再びHT81Sと乗り継いできた筋金入りのオーナーだ。

これはもう、話を聞くしかない。
しかも現車まで見られるチャンス。
そう確信した僕は、即座に連絡を入れ、取材の約束を取りつけたのだった。

情報整理 各車情報

型式発売期間排気量(エンジン型式)アクセル方式MTボディ形状車両重量ホイールベース全幅
HT81S2003年1.5 L NA(M15A)機械式スロットル※15速3ドアハッチバック930 kg2,450 mm1,735 mm
ZC31S2005年1.6 L NA(M16A)ドライブバイワイヤ※25速5ドアハッチバック1,060 kg2,390 mm1,690 mm
ZC32S2011年1.6 L NA(M16A)ドライブバイワイヤ※26速5ドアハッチバック1,050 kg2,430 mm1,695 mm
ZC33S2017年1.4Lターボ(K14C)ドライブバイワイヤ※26速5ドアハッチバック970 kg2,450 mm1,735 mm


※1 機械式スロットル
アクセルペダルとスロットルバルブが機械的に接続される。アクセル操作に連動してスロットルバルブが動くためダイレクトな操作が可能。反面、アクセル開度をコンピュータが制御しないのでいかなる場面でもドライバーがアクセルを調整する必要がある。

※2 ドライブ・バイ・ワイヤ
アクセル操作の動きをスロットルバルブに伝える際に、コンピュータが状況に応じて制御する方式。同じアクセルの動かし方でも、状況によってスロットルバルブの動き方が変わるためダイレクト感はスポイルされる。ただしエンジン始動時や、加速時等、その時の状況に応じてスロットルバルブをコンピュータが制御してくれるので、ドライバーが細かい調整をせずに済む。また、横滑り防止装置、衝突回避装置等と連動しアクセルを制御する役割もある。

深井さんインタビュー

野村「深井さん、今日はお忙しいところありがとうございます。
早速ですが現在2台目のHT81Sを愛車にしているようですが、愛車遍歴などを伺ってもいいですか?」

もとはVIPカー好きだった深井さん それが何故HT81Sにハマった!?

深井「はい、よろしくお願いします。
そうなんです。HT81S、本当に気に入ってます。
でももともと私はVIPカーとかセダンとかが好きだったんですよ。
でもカーショップをするようになってスイフト等の小型マニュアル車に頻繁に乗るようになって、スタートダッシュ、加速の良さにびっくりしたんですね。
それですっかり好きな車が変わってしまって。
車ってかっこよさにしか興味なかったんですけど、こういう楽しさがあるんだな!って気づいちゃいました。

オートガレージリバティーズ 深井さん
オートガレージリバティーズの深井さん
お忙しい中ありがとうございました

それから店のHT81Sを自分用として乗り始めました。
とはいえ、当時はまだ良さ、魅力をちゃんとわかってなかったかもしれません。
乗り始めて半年ぐらいの時にお客さんから「欲しい」と言われて、割と簡単に手放しちゃったんですよね。

そのあとZC31Sに乗ったんです。
31はスーチャー付きに改造されてた車体で、速いし、操作感も悪くなかったんですけど…なんか“ハマらなかった”。
乗り換えた時はHT81Sと大して変わらないかなと思ってましたが違いましたね。
“面白い車”ではあっても、“気持ち良さ”では物足りなかった、というか。

次はZC32Sに乗りました。6速MTっていいじゃないですか?
だから一瞬「こっちのが性能いいな」って思ったんですよ。でも…
やっぱりどこか、気持ちが入っていかなくて。

で思い出したんです。
「あ、あのHT81S、なんだかんだで超楽しかったな!」って。
特別な一台だったんだなって気づきましたね。

それで32を手放したタイミングでお店にあった在庫車の81を予約しました。
「これ私の!」って(笑)
今度はちゃんと買って名義変更もして本気で“自分のクルマ”にしました
32まではお店の車を借りて乗ってましたけど、それだとお店の都合で乗り換えないといけないじゃないですか。
もうずっと乗りたかったので(笑)

それが2024年5月のこと。
1年と少し乗っているが全く飽きるどころか、毎日HT81Sに乗るのが楽しくて仕方ないとのこと。

野村「なるほど、車屋さんやってると在庫車を借りて足にするっていう感じなんですね。
それが出来るのに敢えて買うって、よっぽど気に入ったんですね。
31、32を経て、また81に乗るっていうのも本当に81にゾッコンなのがわかります。
その楽しさとか気持ちよさってどういう感じなんですか?」

農道をスパーンと加速する、その爽快感にゾッコン

深井「うーん、そうですねぇ。加速が良いというか、動きが軽いというか、ダイレクトな感じがするというか、そんな感じです。
あとはボディサイズが小さいので、乗りやすいっていうのもあると思います。
よく農道を通るんですけど、たまにポールが立ってて道が狭くなってる箇所があるんですね。
31、32だと大丈夫かなぁって恐る恐る通るんですけど、81だとスパーンってかっ飛んで通過できるんですよ。それが気持ちよくて(笑)」

深井さんの「スパーン!」という言葉が、やけに弾けて耳に残った。
その響きだけで、一気に荷重をリヤに移して加速するHT81Sと瞳を輝かせて運転する深井さんの姿が目に浮かんだ。
「いやぁ、やんちゃだなぁ(笑)」

ここまで深井さんの話を伺ってきても、HT81Sの魅力はまだはっきりと言葉にならなかった。
スーパーチャージャーで速かったZC31S。
6速MTで高速域に強いZC32S。
それらより「HT81Sのほうが気持ちいい」と深井さんは言う。

そして、農道のエピソード。
かっ飛んで通過できるとはいえ、実際には多少減速しているはずだ。
そこから思い切ってアクセルを踏み込める感覚――
踏んだ瞬間の加速感と俊敏さ。
そこに、他のスイフトスポーツにはない爽快さが有るのではないか。

まさか、試乗させていただけることに!

「これは乗ってみないと細かいことはわからんなぁ」
取材をお願いするときに試乗も頼んでおかなかったことを後悔した。

そんなことを考えていたら、深井さんが助け舟を出してくれた。
「よかったら後でちょっと私の車に乗ってみませんか? 乗ったほうが色々わかると思いますよ」

まさかのご提案に、思わず前のめりになった。
ちょっと僕の焦りや「乗りたい」という感情が出てしまったのかも知れないと反省。
でもありがたくその申し出を受け入れた。
さあ、ついにHT81Sに乗るぞ!

いよいよ試乗

深井さんからキーを受け取って、ドキドキしながら運転席へ。
ついにHT81Sとご対面だ。

これが深井さんが“本気で買った”HT81Sか。
キーを差し込み、クラッチを踏んでセルを回すと、社外マフラーから心地よい排気音が聞こえ、同時にエンジンの振動が車内に伝わってくる。
モモの ステアリングを握った瞬間、グッと気持ちが引き締まった。

ZC31Sとは違う、小気味よさにビックリ

いよいよスタート。慣れない道だし、深井さんの大切な車、もちろんスピードは控えめだ。
それでも、2速、3速とシフトを上げるたびに小気味いい加速が味わえる。
想像通り、ダイレクトなアクセルレスポンスで、足のわずかな動きにエンジンが反応してくれる。
浅目のフルバケからエンジンのパワーが背中に伝わり身体を”クッ、クッ”と押し出す。
「ああ、このレスポンス、機械式スロットルの気持ちよさだ。」
これに比べると、残念ながらドライブバイワイヤ方式のZC31Sは反応にワンクッションあるし、スポイルされていることがわかってしまう。
“クッ、クッ”ではなく”クー、クー”というような身体に伝わる感覚の僅かな違い。
でも格段に小気味よさが違うのだ。

室内がコンパクトなおかげで、車を操っている感覚も強い。
ZC31Sに比べて細くて立ち気味のピラーは見切りがよく、「車に乗せてもらっている」というより「こいつを制御しているのは自分だ」という感覚になる。
軽い車体は加速も減速もクイックで、ただ流しているだけなのに頬がゆるんだ。

ふと気づいた車内に伝わるエンジンの振動

深井さんとおしゃべりしながらドライブをしていてふと気づく。
「この車、ZC31Sに比べエンジンの振動が伝わって来てる。」って
エンジン音ではなく、エンジンの振動だ。
僕のZC31Sはマフラーを変えてからエンジン音は車内に入ってくるが、エッジの効いたエンジンの振動を感じたことはない。
でもHT81Sからはエッジの立ったエンジンの振動を感じるのだ。

「これめちゃくちゃエンジンの振動が伝わって来てくれますねぇ」思わず僕は呟いた。
「あ、そうかも知れないです。でも「伝わってきてくれる」なんですね(笑)」と深井さん。
そう、「伝わって来てくれる」だ。これはHT81Sの大事な魅力だから。

シートから身体に伝わる加速感、アクセルに小気味よく反応するエンジン、ステアリングから伝わる振動、耳からだけでなく時に産毛からも伝わってくるエンジン音。
それらが一体となって身体を包み、言い得ぬ快感を与えてくれる。

これはZC31Sでは感じたことのない感覚だ。
もちろんZC31Sでもエンジン音や振動は感じられる。
でもそれは、例えて言うなら集合住宅で隣の家から聞こえてくる話し声のような感じだ。
壁や断熱材、防音材を経て、それでもなお聞こえる話し声。
そう、こもっていて、輪郭が曖昧な音と振動だ。

ZC31Sを買った時、イメージしていた車は20歳の頃乗っていたCR-X(EF7)だった。
そのイメージでZC31Sを試乗した時、「随分静かだな。エンジン音が太いなぁ」
そんな感想を一瞬持った。
でもCR-Xに乗っていたときから35年も経っている。
「あの頃に比べたら車の剛性も上がってるし、エンジンの設計もだいぶ変わってるんだろうなぁ」そんな事を思って感想を引っ込めた事を思い出した。

特殊な生い立ちからこの気持ちよさは生まれた?

運転をしながらHT81SとZC31Sにここまで違いがあるのはなぜなんだろうと考えていた。
そう、一瞬CR-Xを思い出したとおり、HT81SはZC31Sに比べ剛性が低い。
もともと軽自動車だったワゴンR+、Keiをベースに強引にスイフトを開発し、それをさらにスポーツモデルにしたのがHT81Sスイフトスポーツだと聞いている。
つまり、もともとが軽自動車なのだ。
そこに不釣り合いとも言える1.5Lのエンジンを積んだのがHT81S。
不釣り合いだからこそ、エンジンの振動や音が抑えられず、車内にまで響く。
おそらく防音材、制振材も普通車にしては少ないのではないだろうか。
そうした、特殊な出生の経緯から、ZC31Sにはない、心地よい振動、音、小気味よい加速感が産まれたのだと思う。

この感じ!カートっぽいなぁ

そしてカーブを抜けた瞬間、ふと頭に浮かんだ。
「これ…カートっぽいなぁ」
軽くて、反応がダイレクトで、余計なものが何もない。
音も振動も挙動も、すべてが自分のすぐそばで起きている。
ステアリングを切れば車体の動きがそのまま腕に返ってきて、アクセルを踏めば背中に“クッ”と押し出される。
目の前の視界を遮るものがなく、タイヤの位置すら意識できるあの感覚 -まるでサーキットで乗ったカートの延長線上にHT81Sがあるみたいだ。
そしてそのダイレクトさが、どうしようもなく心地いいし楽しい。

魅力のデメリット視点


ここまでHT81Sの魅力を語ってきたが、その魅力はある意味表裏一体だ。
CR-Xに乗っていた当時、こんな事があった。
その日、僕は仕事で先輩の車に同乗し、鈴鹿に来ていた。
そこで友人と会ったので、合流して食事に行くことになった。
ただ先輩は「まだ仕事があるから、お前たち先に店に行っててくれ」と言うことになり、僕は友人の車に乗せてもらい店に向かった。
その友人の車はシーマだった。
ドアを開け、乗り込んだ瞬間からわかる高級感。
そしてATをDレンジに入れ加速する。
アクセルをガバっと開けようが、ブレーキをガンッと踏もうが、車内はふわふわしていてショックを感じない。
その時のあまりの静粛性、車体の安定性に「これが大人の世界か !?」とカルチャーショックを受けた。
その瞬間、CR-Xのすべてがひどくガキっぽく思えたのを覚えている。

何が言いたいかというと、先述したHT81Sの魅力も、受け取り方によって「気持ちいい」「楽しい」「小気味良い」にもなるし、「粗野」「チープ」「うるさくてボロっちい」にもなるということだ。
そしてそういう魅力と言うのは比較の上でしか成り立たない部分がある。
深井さんはVIPカーや、セダン、そして81の後に31、32と乗り、「あ、あれって楽しかったんだな」と気付いた。
僕もCR-X以降いろんな車に乗り「CR-Xの頃って楽しかったな。また、コンパクトスポーツカーに乗りたい」と思いZC31Sを買った。
そうした経緯、経験があって、HT81Sのカートっぽさを「気持ちいい。楽しい」と感じられるとも思うのだ。


正直言って、HT81Sが万人受けする車とは思わない。
ただ経験があろうと、免許取り立てで経験がなかろうと、「運転が気持ちいい車」に興味があるなら候補には入れて欲しい車だ。
当時の僕のように、候補から外すというミスはしないでもらいたいと切に願う。
その上で、HT81Sの様な車が、今の貴方にマッチするか?
色々比較し、吟味した上で車選びを楽しんでもらいたいし、後悔のない1台を選んで欲しいと思う。

まとめ


カートに乗っていた僕にとって、楽しさ、攻め甲斐のある車ナンバー1はやっぱりカートだ。
CR-Xだろうとその他のスポーツカーだろうと到底敵わない。
それはそうだ。そもそもスポーツカーとは言え、乗用車は運動性能以外に静粛性、居住性、安全性を考慮して作られたものだからだ。
そういった、運動性能と相反するものを同居させ、いかにスポーツを感じさせるかがスポーツカーだと思う。
その点、特殊な生い立ちだからこそ、ある意味静粛性、居住性、安全性を無視して作られたHT81Sは稀有な存在だと思う。

ZC31Sに満足していたとは言え、もっとカートっぽい車を渇望していたことも事実。
なのでHT81Sに乗りその魅力を知った今は正直、「欲しい」と思ってしまった。
なんとかなっていまいそうな価格なのも、悩ましいところだ。

HT81Sの様な「カート感覚」ではなくとも、似たような魅力や特性を持った車はあるにはあると思う。
少なくとも、HT81Sと同時期かそれ以前に作られたコンパクトスポーツカーなら、ダイレクト感、車との一体感を感じられる可能性は高い。
ただ、こうした車はスポーツカーの価格が高騰する現在、値段が高い車種が多い。
魅力的なMTスポーツはプレミアがついて価格高騰しているか(シビックなど)、不人気故タマ数がないか、どちらかのパターンが多い。
その点HT81Sはタマ数が多いとは言えないが、オートガレージリバティーズさんを見ている限り、探せばまだあるように感じるし、金額的にも40万円台の車輌があり高騰している感じもない。
その意味でも稀有な1台だ。

そう考えると、この車を長らく見逃していたのは僕としては手痛いミスだ。
今更ながら「欲しい」と思える1台だし、返す返すも当時候補に挙げなかったことが悔やまれる。

買う際の注意点等

ここで、メカニックでもあるオートガレージリバティーズの社長さんから伺った、HT81Sの機械的なウィークポイント、購入時の注意点、あるいは僕が店頭の車体を見ていて感じたことなどをまとめておきます。

年式と劣化の現実

発売から20年以上経っており、走行距離10万キロ超えの個体も珍しくありません。
やはり新しい車に比べ、不具合、汚れ、部品や塗装の劣化が目立ちます。
正直、塗装や樹脂パーツの状態は僕のZC31Sのほうが綺麗で、年式以上の差を感じました。
この辺りは覚悟・折り込み済みで検討すべきポイントです。

最大のウィークポイント クラッチ関係の消耗

弱点として真っ先に挙げられたのがクラッチ周り。
・クラッチレリーズベアリング
・レリーズフォーク
・クラッチケーブル(HT81S特有)
これはHT81Sに限らずZC31Sでも同様で、僕のZC31Sも購入後半年でクラッチ(レリーズフォーク)が寿命を迎えました。
購入時は異常がなかったものの、1速が入りにくくなり発覚。
走行距離7万キロ・整備記録なしだったため、未交換の可能性は高いと覚悟していました。
クラッチは5〜10万キロで交換時期が来るため、購入前に走行距離と整備記録を必ず確認しておきたいポイントです。
ということで、クラッチ関係は走行距離と整備記録をよく確認!これである程度予測がつきます。

液体漏れ(オイル・その他)も要確認

クラッチ以上に深刻なのがオイル漏れなどの液体漏れ。
場所によっては修理代が高額になります。
「エンジンは頑丈」とのことですが、古い車なので下回りのチェックは必須。
商談時に「リフトアップ可能か」を確認すると安心ですね。

ボディ剛性と補強パーツ

HT81Sはボディ剛性が低く、シャシーへのダメージを受けやすい傾向があります。
足回りに補強パーツが付いていればダメージ軽減の可能性が高く、あればラッキー。
ただし有無だけで判断せず、車全体の状態を総合的に見たいところです。

入手困難パーツの存在

「ちらほら入手困難なパーツが出てきた」との話もありました。
現状の不具合や、近い将来交換が必要になりそうなパーツを確認。
その中に入手困難な部品が含まれていないか、必ずお店に聞きましょう。

お店選びの重要性

旧車というには新しい部類ですが、それでも20年落ち。
車選びの前に、お店選びが重要です。
リバティーズさんはHT81Sの販売実績も多く、気さくに相談できる頼れる存在だと感じました。

取材協力

のむけん

こんにちは、のむけんです。
10代からカートを始め、20代はMT車に乗るレース好き、スポーツカー好きでした。

ですがカートをやめ、だんだんと移動が楽な車、仕事に便利な車に乗るようになりサーキット、スポーツカーから遠ざかってしまいました。

50代になり「またMT車に乗りたい、サーキットを走りたい」と思うようになりZC31Sスイフトスポーツを購入、サーキット再デビューを果たしました。
サーキットを走ってみて「速く走りたい」と思うと同時に「走行写真が欲しいなぁ」と思いました。

そんな時に「俺、写真撮れたじゃん」と思い出しました。
というのも以前カート、ミニバイク、FJ1600等の取材記者として走行写真を撮っていた経験があるからです。

そんなわけで「みんなの写真を俺が撮る」と謎の使命感でサーキット撮影を始めました。
写真を撮るのは好きなのですが、花や風景はなんかつまらず、「もっと写真を撮りたいんだけどなぁ」と思っていたというのも大きな理由です。
やっぱり走っている車、バイクはシャッターを押す指に熱が入ります。

走る方がいるから自分も好きな写真が撮れる、そんな感謝の気持ちもあって写真はオーナー様にプレゼントすることにしました。

またwordpressが好きなことから、サイトに掲載して写真をプレゼントする方法を選びました。

写真もwordpressも拙い部分があるかと思いますが、喜んで頂けたら嬉しいです。

のむけんをフォローする
シェアする

コメント